2       結晶をトレイに詰める

 



        
<注意> 道具はよく乾かしてから使用してください。少しでも濡れていると液体窒素に入れたときに凍り付いて、トラブルの原因になります。

サンプルピンが完全に乾燥していない状態で使用した場合以下のようなトラブルの原因になります。

         トレイにサンプルピンをセットする時、氷の部分がはみ出て、マグネットベースとトレイ蓋を固定する際に隙間の原因になります。

         左図のようにたくさんの氷がついた状態のサンプルピンを使用すると、ロボットの誤動作原因になります。


 


1. 本マニュアルと合わせて動画マニュアルもご参照ください

2.1      クライオケーンで持ち込んだ結晶をビームラインでトレイに詰め直す

クライオケーンで持ち込んだ凍結結晶をUniversal V1 Puckに移し替える手順を説明します。

 

1. 使用する道具を揃える。

 

 

トレイ(Universal V1 Puck)用の道具と、サンプルピンを取り扱うための道具を準備します。

 

 

ドライシッパーから取り出したケーンを一時的に格納するために、背の高いデュワーを準備します。また、サンプルを移し替えるために液体窒素を貯める発泡スチロール容器も準備します。 BL41XUでは、専用の真空断熱容器を使用してください。

 

2. トレイ蓋をひっくり返して発泡スチロール容器内に置き、液体窒素を注ぎ入れる。

トレイ蓋は、「半円状の凹み」が手前に来るように置きます。
その場合、内側では1番を頂点に、外側では6番を頂点に反時計回りに番号が並びます。
液体窒素はトレイ蓋上面から11.5cm程度上までの深さにして下さい。それ以上入れると
 
穴が見えにくくなります!

 

3. サンプルピンをバイアルごとケーンから取り外す。

サンプルピンをバイアルごとケーンから取り外して

 

液体窒素中に落とします。

 

4. バイアルからサンプルピンを外す。

Vial Clampでバイアルを掴み、CAPを上に向ける。

 

Crystal Magnet Wandでサンプルピンをバイアルから引き抜きます。

 

5. サンプルピンをトレイ蓋にセットする。

ピンの先端(サンプル部分)が液体窒素から出ないように注意して、目的の穴位置へ挿し込んでいきます。写真のように、ピンを斜めにして、軸の部分を穴の縁に沿わせるようなイメージで挿し込むと良いです。

 

完全に穴に挿し込んだら、Crystal Magnet Wandからピンを離します。

 

16個全部詰める必要はありませんが、必ず1番から順番に詰めていくようにし、中心の15は必ずサンプルピンを入れてください。サンプルが2個の場合は、Well35に空のサンプルピンを詰めてください(実験終了後にサンプルピンをトレイからケーンへ再度戻す際に、マグネットベースとトレイ蓋を分離する操作が難しくなります)。

 

 

6. トレイ蓋にマグネットベースを取付ける。

Puck Wandにマグネットベースの背面を吸着させます。磁力により吸着します。

 

トレイの「半円状の凹み」が一致する向きを確認し(2番の通りなら手前側にあるはず)、マグネットベースの支柱を蓋に挿し込んでいきます。

 

支柱と穴の形状から、決まった向きにしか入りません。しっかり押し込むと「カチッ」と側面のバネ板で固定されます。これでOKです。

マグネットベースやトレイ蓋に霜が付着している場合、支柱が奥まで刺さりにくくなりますが、しっかりと押し込んでください。

7. トレイ蓋とマグネットベース固定の確認

発泡スチロール容器内で、Puck Wandをくるくる回して、しっかりと固定されていることを確認して下さい。

右のように、隙間がある場合は、もう一度支柱をしっかりと押し込んで固定してください。

 









<注意>
マグネットベースとトレイ蓋に隙間があった場合、トレイをサンプル保存容器にセットした時に、サンプルピンがトレイ蓋に残ったり、その周辺のピンが斜めになります。

ピンが斜めになるとSPACEでサンプルピンがつかめず、エラーが出て測定が定停止します。







 

8. トレイをひっくり返す。

ここで液体窒素を追加します。トレイを引っ繰り返すので、液量は十分に入れてください。

Bent Cryo-Tongでトレイを挟んで固定し、Puck wandをくるくる回しながら外します。

 

Puck Wandが外れたら、そのままトレイをひっくり返します。

 

ひっくり返ったら、Bent Cryo-Tongを外して終了です。

 

霜が入らないように発泡スチロール容器にはこまめに蓋をするようにしてください。

 

2.2      プレートから直接トレイに結晶を詰める

 

結晶化プレート上の結晶を液体窒素で凍結後、トレイにセットする手順を説明します。

 

1. 使用する道具を揃える。



トレイとサンプルピンを取り扱うための道具を準備します。液体窒素中で瞬間凍結させる為、デュワーとして発泡スチロール容器も準備します。
BL41XUの場合は、専用の真空断熱容器を使用してください。

ットの誤動作原因になります。

 

2. トレイ蓋をひっくり返して発泡スチロール容器内に置き、液体窒素を注ぎ入れる。

トレイ蓋は、「半円状の凹み」が手前に来るように置きます。
その場合、内側では1番を頂点に、外側では6番を頂点に反時計回りに番号が並びます。
液体窒素はトレイ蓋上面から11.5cm程度上までの深さにして下さい。それ以上入れると
 
穴が見えにくくなり危険です!

 

3. 結晶をドロップから掬って、液体窒素中で凍結させる。

※ハンギングドロップの場合
Crystal Magnet Wand
にサンプルピンを取付け、結晶を結晶化ドロップから掬って、

 

液体窒素中で急速凍結させます。

この時できるだけ素早く液体窒素に浸漬させた方が、うまく凍結保存できます。

 

4. サンプルピンをトレイ蓋にセットする。

ピンの先端(サンプル部分)が液体窒素から出ないように注意して、目的の穴位置へ挿し込んでいきます。写真のように、ピンを斜めにして、軸の部分を穴の縁に沿わせるようなイメージで挿し込むと良いです。

 

完全に穴に挿し込んだら、Crystal Magnet Wandからピンを離します。

 

16個全部詰める必要はありませんが、必ず1番から順番に詰めていくようにし、中心の15は必ずサンプルピンを入れてください

サンプルが2個の場合は、Well35に空のサンプルピンを詰めてください。実験終了後にサンプルを凍結させたまま持って帰る場合は、サンプルピンをトレイからお持ちのケーンに移し替えることになります。その為にはマグネットベースとトレイ蓋を分離する必要がありますが、Well15が全部詰まっていなかった場合操作が難しくなります。

 

 

 

5. トレイ蓋にマグネットベースを取付ける。

Puck Wandにマグネットベースの背面をくっつけます。磁石でつきます。

 

トレイの「半円状の凹み」が一致する向きを確認し(2番の通りなら手前側にあるはず)、マグネットベースの支柱を蓋に挿し込んでいきます。

 

支柱と穴の形状から、決まった向きにしか入りません。しっかり押し込むと「カチッ」と側面のバネ板で固定されます。これでOKです。

マグネットベースやトレイ蓋に霜が付着している場合、支柱が奥まで刺さりにくくなりますが、しっかりと押し込んでください。

 

6. トレイ蓋とマグネットベース固定の確認

発泡スチロール容器内で、Puck Wandをくるくる回して、しっかりと固定されていることを確認して下さい。

右のように、隙間がある場合は、もう一度支柱をしっかりと押し込んで固定してください。

 








<注意>

マグネットベースとトレイ蓋に隙間があった場合、トレイをサンプル保存容器にセットした時に、サンプルピンがトレイ蓋に残ったり、その周辺のピンが斜めになります。

ピンが斜めになるとSPACEでサンプルピンがつかめず、エラーが出て測定が停止します。






 

7. トレイをひっくり返す。

ここで液体窒素を追加します。トレイを引っ繰り返すので、
液量は十分に入れてください。
Bent Cryo-tongでトレイを
挟んで固定し、
Puck wandをくるくる回しながら外します。

 

Puck Wandが外れたら、そのままトレイをひっくり返します。

 

ひっくり返ったBent Cryo-tongを外して終了です。

 

霜が入らないように発泡スチロール容器にはこまめに蓋をするようにしてください。

研究室で自前のトレイに準備している場合は、引き続きキャニスターに装着してドライシッパーに格納してください。
ビームラインの場合は、SPACEの準備が完了したらSPACEにセットします。別のサンプルをさらにトレイに詰める場合は、実験の進行に合わせて行ってください。