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推進室

グループ情報
メンバー
公益財団法人 高輝度光科学研究センター
タンパク質結晶解析推進室
氏名 職名 e-mail※ PHS
熊坂 崇 室長 kumasaka 3475
八木 直人 コーディネーター yagi 3852
測定技術開発チーム
長谷川 和也 チームリーダー kazuya 3595
馬場 清喜 研究員 baba 3510
水野 伸宏 研究員 nmizuno 3797
奥村 英夫 研究員 okumurah 3755
村上 博則 契約技術員 hiromura 3364
仲村 勇樹 契約技術員 y-nakamu 3362
結晶解析チーム
河村 高志 研究員 kawamura 3396
Nipawan Nuemket 博士研究員 nipawan 3875
西川 健一 特任一般職員 nishiken 3356
尾崎 愛美 契約職員 aimi 3487
田中 麻衣子 契約職員 maiko.tanaka 3596
大塚 裕貴 関西学院大修士1回生 3442
※アカウントの後ろに@spring8.or.jpを付けて下さい。
大学院生募集
関西学院大学および神戸大学と(公財)高輝度光科学研究センターの間では連携大学院の協定が結ばれており、当グループも受け入れ研究室となっています。 放射光を用いた構造生物学研究に興味のある方は、 関西学院大学大学院理工学研究科化学専攻 あるいは神戸大学大学院医学研究科医科学専攻の大学院生として、当研究グループで研究を行うことが可能です。 詳しくは熊坂までお問い合わせください。
活動内容 (旧構造生物グループ; 更新準備中)
   本グループは、SPring-8の高輝度な放射光を活用した構造生物学研究環境の開発と整備を主な任務として活動するとともに、それら先端的な研究環境を発展させ、生命システムの解明を目指した構造生物学研究を進めています。
   研究環境の整備においては、一般共同利用ビームラインである構造生物学I(BL41XU:アンジュレータ)と構造生物学III(BL38B1:偏向電磁石)、その維持管理と装置の高度化を行って学術研究を支援しています。
   また、高まる利用者のニーズに対応しビームラインの利用を促進するためのビームライン高度化として、(1) 構造決定の迅速化のための実験の自動化や遠隔利用法の開発、 (2)従来では解析困難であった試料 (微小結晶測定や超高分解能構造決定など)への適用を目指した装置開発を行っています。さらに、グループとして細胞情報伝達系の蛋白質群や金属タンパク質、ウィルスなどの結晶構造解析を行って構造生物学研究を進め、先端的な解析手法の開発にも役立てています
データ収集自動化・迅速化

   結晶解析法は構造生物学の主要な手法として盛んに用いられています。近年では毎年6千件を超える立体構造が解析されていますが、その大半は放射光を利用しており、解析に必須のツールとなっています。このような解析対象の増大に対して、限られた放射光のリソースを活用するために、以下のようなデータ収集の自動化と迅速化の取り組みを進めています。

a.迅速データ収集システムの構築(BL38B1, BL41XU)

   利用者が装置一つ一つを意識せずに実験が行えるコンピュータ制御の統合環境を実現するために、実験ステーション内の機器(ステージ・ゴニオメータなど)制御系をVMEbus System化し、ビームライン制御に用いられているSPring-8標準の制御システムと統合しました。これにより実験に関わる制御全般の一元化と安定化を実現しています。利用者が実験を行うための制御用GUIソフトウェアであるBSS(Beamline Scheduling Software)について、理研と共同で各ビームラインに独自の機能拡張を進めています。この結果、特に高輝度X線を利用できるBL41XUでは1データセットを約10分で収集することができるようになっています。 さらに、理研が開発したサンプル自動マウントロボットSPACE(SPring-8 Precise Automatic Cryo-sample Exchange)を導入して、データ測定の自動化を進めています。 本装置は専用試料ピンだけでなく、広く使われている磁石用ピンとサンプルホルダーにも対応し、より利便性が向上しています。
   また、回折像読み出し時間をほとんど無視できるCMOS素子を搭載した新型X線検出器とそれに適したデータ測定法の開発を理研と共同で進め、測定時間の半減を実現し、利用者に提供しています。
   これらの自動化をさらに推し進め、容易にビーム調整ができるシステムの構築にも取り組んでいます。

b.遠隔地からの利用システムの構築(BL38B1)

   BL38B1では、遠隔地のクライアントから試料結晶を宅配便で受け取り、オペレータがビームラインでの回折実験を代行して回折データをクライアントに返送する"Mail-in"システムを運用しています。
   このシステムは、前述のBSSやSPACEによる回折実験の自動化の基盤を基に、システム運用に不可欠なクライアント‐オペレータ間で実験条件や回折データをやり取りするためのデータベースシステムを導入することで実現しています。現在、このシステムを用いて、放射光利用になじみのない利用者のための測定代行(有償利用)を実施しています。
 さらに、利用経験のある研究者が遠隔地から思い通りに実験が出来るリモート測定システムの開発を理研と共同で行い、2011年度後半から利用を開始しました。
解析可能範囲の拡大

   今や毎年数千の構造が解析され、望む分子の構造が障害なく行える感さえありますが、数千万種類とも言われる蛋白質の中には、現実に解析が進まない分子も多く存在しているのが現実です。これらの多くは結晶化が困難であったり、結晶が得られても構造解析が困難な精度が低いデータしか得られないものがほとんどです。 また、装置性能の限界から高精度のデータが収集できないケースも見られています。
   これらの問題に対応して、解析そのものを進めていくために、以下のような課題に取り組んでいます。

a. 超高分解能構造解析(BL41XU)

   生命現象に関わる反応の多くは、生体高分子同士のプロトンや電子の授受であり、その反応の詳細を知るには、生体高分子の原子構造のみならず、そのプロトン化状態や電荷の分布状態をも明らかにしなければなりません。タンパク質のX線結晶構造解析でこのような情報を得るには0.8Aを超える超高分解能での構造決定が必要となるとされています。
   我々は、アンジュレータ3次光による短波長X線と大面積2次元X線検出器を用いることで、0.5A分解能程度まで測定可能なシステムを構築しました。 このシステムを用いていくつかの大学研究室と共同研究を行い、超高分解能でのデータ収集におけるノウハウの蓄積などを行っています。(現在、改造中です。)

b. 微細X線ビームによる微小結晶測定(BL41XU)

   結晶が微小なために解析可能なデータが得られなかった試料について、回折データを収集する技術開発を進めています。我々は、微小結晶によるX線回折実験でのデータ精度向上を目指して、試料結晶と同程度の大きさ(~10μm)まで微細化したX線を試料に照射し、 データを収集するための実験技術の開発を行っています。
   これまでに、ピンホールの導入によって試料位置のX線サイズが10μm x 10μmに成型できるようになり、フォトンフラックス 2.8 x 1011 photons/secが得られています。 このような強力なアンジュレータ光源と安定な光学系の組み合わせで、 10μmほどの微小結晶からも解析可能なデータを収集することができるようになりました。(さらに微小ビーム化され、高輝度になりました。)

c. 新規試料マウント方法の開発

   結晶化法の発展によって、これまで結晶化が困難であった試料からも結晶が得られるようになりました。しかしながら、それらの中には結晶性が悪いものも含まれ、 高輝度放射光であっても十分な回折像が得られないものも多く存在します。その原因として、結晶そのものの不安定性や微小結晶であることなどが挙げられます。 そこで、マウント時の結晶へのダメージが少なく、結晶化溶媒の持ち込みを少なくして、微小結晶を安定にマウントする方法として、HAG法やFine-needle capillary法の開発を行っています。

d. 放射線損傷の予測と防止

   上述のa,bを進めていくに当たって、結晶試料の放射線損傷は無視できない問題です。特に高輝度X線を微小試料に照射する際には、データ収集に必要な光子数を確保すると試料が損なわれる場合が多くみられます。 この問題を解決するためデータ収集法や結晶試料の取り扱い法について研究を進め、これまでに損傷はエネルギー非依存的で、むしろ吸収線量依存性であることを明らかにしています。 これらの結果を踏まえ、放射線損傷を抑えながらデータ収集する種々の方法をデータ収集ソフトウェアBSSに組み込み、利用者に提供しているほか、現在は損傷度の測定法として紫外可視顕微分光法の開発を行っています。

e. 低分解能データの活用

   ビームラインに持ち込まれる結晶の中には、原子分解能に到達せず、解析が困難な試料も多くみられます。また、通常、分子モデルの精密化過程では重要視されない低分解能の回折強度は、溶媒の構造を反映しており、タンパク質分子表面に弱く結合する分子の解析には重要であることが示されています。そこで、これらの低分解能データを活用して分子概形の決定や薬剤などの複合体解析に役立てる研究開発を行っています。

f. 新規結晶化試薬の開発

   巨大分子である蛋白質は、構造不安定性や低い溶解度によって、結晶が得られないケースが多く見られます。この問題を解決するため、蛋白質分子と穏やかに相互作用して、溶解度を向上させたり、結晶化を促進する試薬群の開発を(株)ミルボンと共同で進めています。
タンパク質結晶学と構造生物学への取り組み

   ビームラインにはさまざまな試料が持ち込まれますが、データ収集が困難な試料や、回折データは収集できても位相決定に困難をきたす例も多く見受けられます。 本グループでは、微生物の情報伝達タンパク質やその複合体の解析を中心に、共同研究として鉄硫黄タンパク質(日本医大)・ウィルス(国立感染症研究所)・がん関連蛋白質(神戸大学)・ポリアミン合成系(共和加工)・膜タンパク質(産総研)・糖鎖分解酵素(ホンダリサーチインスティチュート)をはじめとするさまざまな試料を対象として構造生物学研究を行うとともに、結晶解析技術の開発や装置開発に努めています。

a. 細胞情報伝達システムの構造生物学研究

   ストレスへの応答と対処は生命が生き残っていく上で必須の機構です。単細胞の微生物にもストレス応答機構は存在しており、栄養の飢餓や細胞を損傷するような周辺環境の変化によって、ストレスから身を守り、細胞の増殖を抑えてエネルギー消費を抑制する状態(定常期)に移行することが古くから知られています。 納豆菌と同じ種に属する枯草菌は、グラム陽性菌の代表的な微生物で、乾燥などの厳しい生育環境でも身を守れるように胞子様の細胞形態(芽胞)に分化して移行するため、細胞分化研究のモデル生物として分子生物学的研究がなされてきました。 その結果、ストレスに応答するRsb (Regulator of Sigma B) 蛋白質群から構成されるカスケードが、遺伝子の転写や翻訳をつかさどるRNAポリメラーゼやリボソームの仲立ちをして、RNA polymerase Sigma B因子の活性を調節し、ストレスに応答することが明らかとなっています。この経路は放線菌など他のグラム陽性菌にも存在していて、その分子機構の解明によって、微生物の生育制御や抗生物質などの二次代謝産物の産生機構の解明などの応用面への展開も期待できます。本研究はこのストレス応答に関わる一群のタンパク質の立体構造を明らかにすることを手始めに、 X線結晶解析やX線溶液散乱をはじめとして多種多様な方法で分析することで、タンパク質同士や低分子-タンパク質間の相互作用に基づく詳細な情報伝達機構の解明を目指しています。

b. 金属タンパク質の構造生物学研究

   生体中には微量ながら金属イオンが存在しており、さまざまなタンパク質の機能を補完する重要な役目を担っています。 われわれは結晶解析法の開発の観点から金属タンパク質の異常分散効果を利用した迅速構造決定を目指して研究を進めてきています。 現在は、鉄硫黄クラスター蛋白質、亜鉛依存加水分解酵素、マンガンホスファターゼなどをターゲットとして解析法の研究を行っています。
発表論文

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